ブラサバ
Apocalypse-6-

目を開けると夜空が見えた。体には古い上着が乗せられていて、左腕には木の枝と包帯がまばらに巻き付けられているのが見える。そして…
「え…」
色が薄い金髪に白いワンピース姿の女の子が焚火の前に座って俺を見ている。
知らない顔だ。俺とほぼ同じ年に見えるんだが…生存者か?
「腕が折れているようだったから…初めてやってみたんだけど…めちゃくちゃだよね。ごめんね。」
女の子は初対面なのにタメ口で話しかけてきた。しかし声は優しい方だ。
「まあ、でも…ありがとう。」
骨は既にくっついたようだ。この体の回復力なら副木はあまり意味ないだろう。

「…で、なんでここにいるんだ?」
「…この展示場…友達と一緒に来てた場所だから。」
周りを見ると擦り切れた万国旗と展示を広告する立て看板が見える。
「ここは危ない。生存者がいると報告するよ。」
女の子は静かに首を横に振る。
「まだ…ここから出られないの。友達を探さないと。」
「友達…?じゃあ仕方ないな。」
俺が立ち上がると女の子は残念そうな顔で目を逸らす。
「一緒に探してみよう。」
女の子、エヴァは目を丸くして俺を見上げた。