ブラサバ
Apocalypse-7-

「そのヨンビンって子はどんな感じ?」
「君と似てる。」
「じゃめちゃくちゃだな。」
「そんなことないよ、二人とも。」

夜が明けてエヴァと繫華街に出た。ここの地理に詳しいようだ。
夜に色んな話をしながら感じたことは、エヴァが思ったことよりお喋りだということだった。でも嫌な感じではなかった。
「君は戻らなくても大丈夫なの?」
先を歩いていたエヴァが足を止める。
「問題ないから、とりあえずその子を探そう。」
正直確信はない。大きな問題が起こらないことを願うだけだ。
「このバンド知ってる?ヨンビンが好きだったバンドなんだけど…」
エヴァはほとんど破れて辛うじて壁にくっついているポスターを剝した。
バンドは何処かで見た覚えがあるんだけど…ちょっと待て、公演日が2019年3月20日?
「もしかして今2019年なのか?」
「うん。多分今は2月なはずなんだけど…正確な日付は知らない。」
記憶はごっちゃだが実験が繰り返されるということは知っている。
なのに5年も過ぎただと?クソ、母さん一人でそんなに長く…
「大丈夫?」
ふらつく俺をエヴァが支える。これからどうすればいいんだ?