ブラサバ
Apocalypse-3 -

川辺を捜索する間ずっと、イヘジンは俺に言いたいことがあるように見えた。
どうしたんだろう。無視しようとしたがやはり気になる。

「何か言うことあるか?」
「あの筒状の建物、見覚えありませんか?」
「俺は初めて見るぞ。」
イヘジンはもう一度辺りを見渡す。
「ここ、ソウルみたいです。」
俺も同じく、辺りを見渡した。幸いみんな各々の仕事に集中している。
「先ほどチラシも一枚拾いましたが…確実です。ここはソウルです。」
「なのにこんなに人がいないのか?」
「その怪物が伝染病を広めて…多くの人が…死んだらしいです。」
なに?ソウルがこの様だと他の地域は?母さん、母さんは無事だろうか。
「捜索に集中して欲しいんだが。」
後ろを見るとフィオラがレイピアで俺の肩を押していた。
「何か企んでいるわけじゃないだろうな。」
「自信ないならじっとしてて~胡散臭いことすると殺しちゃうかも知れないよ。」
ジャッキーは腕輪をした方の腕を振りながらゾッとする笑みを浮かべた。